共同研究プロジェクト

センサリー・ダイアローグ:
アートとサイエンスの共創のための場の創出

+研究ユニット「マルチモーダルな共創によって描写・分析する研究プロセスにおける科学者の情動」

 この研究プロジェクトでは、実験室や特定の技術集団を超えて広がる人間と非人間の複雑で入り組んだ関係性において、知識を生み出す際の感覚や情動が、科学者の身体を介して、いかに科学技術の知識生成に重要な役割を果たしているかを明らかにします。そのために、研究プロセスにおける感覚や情動にフォーカスしながら、異なる研究手法や表現言語を持つアーティストと科学者が共創的対話を行うための方法論を模索する当事者参加型リサーチを行っています。

企画/製作:
 澤崎 賢一(アーティスト・映像作家・キュレーター・リサーチャー/総合地球環境学研究所 特任助教)
メンバー:
 澤崎 賢一
 一ノ瀬 俊明(地理学・都市環境学/国立環境研究所・主幹研究員)
 石河 睦生 (医用工学・人間工学/桐蔭横浜大学・専任講師)
 湊 丈俊(表面界面科学/分子科学研究所・主任研究員)
 寺田 匡宏(人文地球環境学/総合地球環境学研究所・客員教授)

共同プロジェクト

ヤングムスリムの窓:芸術と学問のクロスワーク

 「ヤングムスリムの窓」は、現代社会とイスラームを専門とする文化人類学者の阿毛香絵(京都大学)、アーティスト/映像作家の澤崎賢一(総合地球環境学研究所)、イスラームとジェンダーを専門とする野中葉(慶應義塾大学)が共同で企画したプロジェクトです。
 このプロジェクトでは、日本の新たな世代を担うヤングムスリムの生活や活動に焦点をあてた調査研究を行うと同時に、当事者参加型の映像作品を作り、映像コンテンツ、メディア媒体が社会やアクターに与えるインパクトについても検討しながら新たな表現を開拓することを目指しています。
 ここでのヤングムスリムには、イスラーム圏出身の親を持ち日本で生まれ育った2世やイスラーム教徒に改宗した日本人など、様々なプロフィールの若者たちがいます。彼らは宗教を実践しながら、日本で自らを取り巻く人々や社会とどのような関係性を築いているのでしょうか。プロジェクトの創発的な活動を通じて、ヤングムスリムたちの「まなざし-窓-」を通した世界を見てみたいと思います。

主催:ヤングムスリムの窓:芸術と学問のクロスワーク
共催:一般社団法人リビング・モンタージュ
   慶應義塾大学SFC 野中葉研究会 ムスリム共生プロジェクト
企画(共同企画)/製作:
 阿毛 香絵(文化人類学・アフリカ地域研究/京都大学 助教)
 澤崎 賢一(アーティスト・映像作家・キュレーター/総合地球環境学研究所 特任助教)
 野中 葉(現代東南アジア研究・現代社会と宗教/慶應義塾大学 准教授)
ヤングムスリム:
 アフメド・アリアン(株式会社Rhetica CEO/早稲田大学 学生)
 エルトゥルール・ユヌス(社会人、江崎グリコ株式会社)
 長谷川 護(地域コミュニティ研究/銭湯、慶應義塾大学 学生)
ドキュメンタリー映画制作:
 澤崎 賢一
 新明 就太(映像作家/東京藝術大学 非常勤講師)

多重層的ドキュメンタリー映画

#まなざしのかたち

終わらない旅路へと誘う、断片的な映像とまなざしの多重層
この映画は、新しいコミュニケーションの方法である

 『#まなざしのかたち』では、農学者の田中樹と文化人類学者の清水貴夫の調査地であるタンザニアやケニア、ブルキナファソ、セネガル、ベトナム、日本などにおける人間活動がさまざまな視点から記録されている。本作は、あえてはっきりとした物語や主題にまとまらないような断片的なことがらとして編集され、記録された映像を鑑賞する者の声が多重層的に交わり、世界の複合性を織り成した映像作品である。

監督・撮影・録音・編集・製作:澤崎賢一
時間/制作年:124分/2021-22年
出演者:田中 樹(農学者/摂南大学 教授), 清水 貴夫(文化人類学者/京都精華大学 准教授)ほか
撮影地:ブルキナファソ、タンザニア、ケニア、ベトナム、セネガル、日本
企画・製作:一般社団法人リビング・モンタージュ

※東京ドキュメンタリー映画祭「長編コンペティション部門」選出

水野 啓、澤崎 賢一

バーチャル世界の食卓

会期:2022年4月8日(金)〜5月8日(日) 11:30-21:00 ※水曜日は定休日
会場:Soco Kyoto 〒602-0862 京都府京都市上京区出水町260
入場料:500円
企画:水野 啓
展示キュレーション:澤崎 賢一
主催:一般社団法人リビング・モンタージュ
共催:soco kyoto
協賛:SOCOフーズ株式会社

「食べること」は、生存の根源的な営みでありながら、食材や調理法、食べ方は国や風土によってさまざまで、そこから生まれる文化もまた多様です。そして人は「誰かと一緒に食事をする」ことで、お腹を満たすだけでなく人とのつながりや理解が生まれ、社会の基盤を築いてきました。恋人や家族、仲間たちと一緒に食べることの幸せは、人が人らしく生きることの核心かもしれません。
ここ数年のコロナ禍で旅をすることや皆で食事をすることに制約が課され、人びとはこのささやかな幸せを感じる機会を失ってきました。本企画は、出展作家がアジア、アフリカのフィールドワークをする中でとらえた「幸せな食卓」のシーンに囲まれながら、併設のキッチンでご用意した料理を食べていただく体験型展示です。料理に使う珍しい食材の販売も行っています。京都の一角で、世界を旅したり楽しい食卓に加わる気分を味わいながら、皆さん一人ひとりの「食べること」を考えていただく機会になることを願っています。

ふくだぺろ、澤崎 賢一、べ・サンスン

語りあう/あわないイメージたち

会期:2021年9月17日〜10月17日
会場:Tosei Kyoto Gallery
主催:一般社団法人リビング・モンタージュ
協力:Pixel Engine Ltd.ファーベル舎

イメージはどういう対話を可能にするだろうか?耳と口が閉ざされ、眼の思考が往還するとき、どのようなコミュニケーションの地平が開かれるのか?今回、ふくだぺろ、澤崎賢一、べ・サンスンは3人によるImage Correspondenceを実践する。1人が1枚の写真を送り、それに2人が1枚ずつの写真で返事をする。その繰り返し。積み重なるイメージの呼応、反転、循環。イメージのみと向き合いながら、相手の思考と情動に思いを巡らし、一枚の画で応答していく。本展示ではこうしたコミュニケーションの結果たちあがった写真群を展示する。

フランスの庭師ジル・クレマンのドキュメンタリー映画

動いている庭

日本・フランス|85分|2016年
出演:ジル・クレマン、エマニュエル・マレス、山内 朋樹 ほか
監督・撮影・編集・製作:澤崎 賢一

フランスの庭師ジル・クレマンの活動を記録した長編ドキュメンタリー映画『動いている庭』。本作は、劇場公開映画として「第8回恵比寿映像祭」(恵比寿ガーデンシネマ、2016年)にて初公開され、その後も現在に至るまで国内外で多数上映されている。