すべてのものとダンスを踊って―共感のエコロジー@金沢21世紀美術館
金沢21世紀美術館では11月2日より開催される「すべてのものとダンスを踊って―共感のエコロジー」(2024年11月2日 – 2025年3月16日)で、金沢21世紀美術館と総合地球環境学研究所(地球研)が協働するこのプロジェクト「アニマ・レイヴ 存在の交差点で踊る」にアーティストとして参加し、地球研のLINKAGEプロジェクトとコラボしています。
金沢の観光客の多さに驚き、美術館に着いたら大量の来場者が館内を歩き回ってざわついていて、さらに驚かされつつ、昨日は無事に搬入をほぼ終えることができました(添付の写真は作業途中のもの)。
今回の展示は、映像を契機にした異分野間のコミュニケーションの場として位置づけ、分野の異なるLINKAGEメンバーたち、LINKAGEに関わる沖縄島嶼部に暮らす人々らの交流と、それをメタ的に見つめるアーティストやキュレーターの視点も織り交ぜた可変的でコミュニケーションのプロセスを重視した内容になります。
オープン当初は、映像インスタレーション然とした展示となっていますが、これから約4ヶ月にわたって様々に交流を図り、展示内容をアップデートしていきます。
まだ計画中ですが、地球研と美術館との関連企画だけでも、毎月のように何かしらイベントが開催されますので、ぜひご来場ください。
展覧会「すべてのものとダンスを踊って―共感のエコロジー」
https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1821
LINKAGEプロジェクト
https://www.chikyu.ac.jp/rihn/activities/project/detail/8/
以下、美術館による説明文です。
テーマ「島と水」
LINKAGEプロジェクト x 澤崎賢一
透明な水を介した交換が生まれる場所—それは人と人との関係にとどまらず、人と海の生き物の間でも行われています。琉球弧の与論島をはじめとする島々には、島の成り立ちによる地質の違いなどから、島ごとに異なる水との向き合い方が生まれました。生命の源である水の流れは、陸と海を繋ぎ、そして、生態系や生活文化、自然観までを一つの流動体として結びつけています。
琉球弧やインドネシア・ワカトビ諸島に集まる、地質学や水文学、文化人類学、政治学にいたるまで、研究者たちがサンゴ礁や水の循環に対する様々な視点から島を観察し、そして島に生きる人びとと対話をし、その映像をメタ映画/コモンズ映画という手法で、会期中に更新される映像によって島の現在を捉えます。一見すると美しい海辺の映像も、吹き込まれる研究者や地域の方の声を介してみると、一変してその見え方も変わってきます。私たちにとっての「美しい風景」は、決してあらゆる存在にとっての美しさとは異なり、ときに残酪な現実も突きつけます。島は、私たちが見ている世界は、世界の一部分でしかないことを教えてくれます。世界を多面的にとらえるためには、どうしたら良いのか。交差する声から、あなたはどんな風景を思い描くでしょうか。